俺と涼は向かい合った。涼葉の頭は俺の口辺り。キスするとしたら少し屈むか。
「今度は俺がリードする」
「それは助かるよ」
俺は緊張のピークだったが、そんなことは顔に出さずに(出ていたかもしれないが)、冷静を装って涼の肩に手を置いた。
涼葉は顎を上げて目を瞑る。俺は薄目になって涼の唇を確認、軽く唇を合わせた。
ゆっくりした方がいいのか、何もわからずとりあえず3秒くらいで俺の(涼葉の)初キスは終わった。どんな感じかと
言われても、なんとも言えない、あっけないものだった。

 涼葉は黙っていた。なんかダメだったのか・・・俺は不安になる。
「涼・・・?」
「うん」
どうだったかと感想を聞くのもこわかったんで、俺はその後が続けられない。涼葉は顔を俺に向けた。
微笑んでいる。

「かみしめていた」「?」「君の感触を」
そうか、で、どうだったんだ?
「ありがとう」「あ、いや別に・・・」

「・・・・それで、すまないけど、もう一回いいかな?今度は私から、私の想像するキスをしてみたい」
「あ、ああ、いいよ」やっぱりダメだったか。ちょっと落ち込む。
涼葉は再び俺と向き合った。
「目」
「?」
「閉じてくれないと」「ああ、ゴメン」

俺は目を閉じて頭を下げた。両肩に涼葉の手が乗って引き寄せる。顔を近くに感じ、唇に柔らかな感触。
ねっとり、しっとりと。涼葉の舌が俺の唇をチロチロ舐める。少しくすぐったいのと同時に、じんわりと睾丸が動くのを感じる。
 エロい!ヤバイくらいにエロいキスじゃないか?本当に初めてなのかよ!
俺の慌てた脳内の事などおかまいなく、開いた俺の唇の隙間に涼葉の舌が侵入。ヌルッとしたものが俺の舌にからみつく。
これが涼葉の想像するキスなのか・・・・俺はなすがままになる。気持ちいい・・・

涼葉がニュルっと抜いて離れた。涼葉はちょっと顔を赤くしていた。



 そんな表情を見て俺は、というか俺の本能といった方がいいのか、それは涼葉を離したくないと言っていた。
「涼・・・」
涼葉が顔を上げる。俺は涼葉の頭を抱えて引き寄せ、涼葉と唇を合わせた。さっきよりも強く、激しく吸い、今度は俺から
舌を入れた。涼葉は抵抗もせず、俺を受け入れる。二人で舌をからめ合い、お互いを確かめるように、何度も交じりあわせた。
「んふっ・・・」小さな涼葉の声が漏れ、俺は凄く興奮した。コイツこんな声が出るんだ・・・・



 どのくらいそうしていたのか、俺は半ば放心しながら体を離した。キスだけだったが股間はもう思いっきり硬くなっている。
昨日の空き教室が頭をよぎる。このまま、涼葉と一緒に・・・・

涼葉の体が離れた。
「今のは、その・・・よかった」涼葉がつぶやくように言う。
「涼・・・・」
俺は再び涼の肩を掴もうとしたが、涼葉は手で遮った。
「今日はこのくらいにしておこう。つき合ってくれてありがとう」
そう早口で言うと、涼葉は階段を駆け下りた。そして後ろを振り返り、軽く頭を下げるとそのまま走っていった。
俺は言いかけた言葉を止めて、追いかけずに、涼葉を見送った。

 涼葉には俺の興奮したのがわかったのだろう。多分それで逃げたのに違いない。俺はピシピシと頬を叩き、気持ちを静めた。
 涼葉はどう思ったのか。最後のはちょっと強引だったからな。嫌われていなければいいんだが・・・

 ふと我に返って俺は気づいた。もしかして俺、涼葉のこと、好きになってないか?って。


<トップ>  <2話-2>  <3話-1>