涼葉の家には誰もいなかった。
すぐにお風呂を沸かしてくれて、その間に俺はシャワーを浴びさせて貰った。濡れた服を洗濯して乾かすので、着替えは
涼葉のお父さんのものを借りた。多少サイズが合わないが、ジャージだったからなんとか。

「ジョギングをするといって買ったんだが、予想通り三日ともたなくて、ほぼ新品だよ」
涼葉はそう笑いながら紅茶を入れてくれた。

 紅茶を飲んで、俺は一息ついた。
「いろいろ済まないな」
「高さんは気にしなくていい」
ソファに並んで座り、こうしているとすごく落ち着いた。

 体も温まった頃、俺はもう一度謝り、先日都内で涼葉と田島を見かけたこと、それで誤解していたことを話した。
 涼葉は最後まで俺の話を聞いてくれた。そしてゆっくりと俺の首に手をかけて、柔らかなキスをした。
「高さんは正直過ぎる」
「ああ・・・ゴメン」
「そして今日は謝り過ぎだ」「そうかな」
「うん。でも、確かに私を悩ませたんだし、そのくらいは当然だろうな。いや、まだ足りない」
「段々調子に乗ってきたぞ」
茶化す俺に涼葉は笑わない。
「そう思うなら、わたしの口をふさいでくれ」
俺は涼葉を抱いてキスをした。抱きしめた感触が懐かしい。そして愛おしいと思う。

 俺が抱きしめてもリラックスして、涼葉は俺を受け入れてくれる。今までを取り戻すかのように長いキスが続く。
軽く触れ、むさぼり、味わうように途切れ、また求める・・・

 俺の方はもうこのままいってもいいと思っていた。そして涼葉はさすがに俺の気持ちを読んでくれる。

「姉は今日コンパとやらで、早くても10時以降の帰りになるから大丈夫だ」
あえて普通に喋ろうとしているのがわかる。こいつも緊張するんだ、と思うと可笑しく思えたが、勿論笑わない。
勇気を出して言ってくれているんだ。俺も真剣に応える。

「・・・いいのか?」
「高さんが望むなら」
「じゃあ決まったな」
 俺の言葉を受けて涼葉は立ち上がった。

「シャワーを浴びてくる。それまで私の部屋で待っていてくれないか?」
「ああ」
 俺はこのままここでもよかったんだが、涼葉としても初めてなんだし気持ち的に落ち着く状態の方がいいのだろう。
 俺は二階に上がり、涼葉はバスルームに向かった。

 初めての涼葉の部屋は想像通りきちんと片づいていた。同世代の女の子の部屋に入ったことがないので比較は出来ないが、
アイドルのポスターや大きなぬいぐるみがあるわけでもなく、女の子っぽさはあまり感じられない。棚には本が並んでいて、
それが全部漫画っていうオチなら笑えるが、結構堅そうなタイトルが並んでいると、コイツは本物だったか、と今更ながら知った。
 ただ、地味な色彩の中でカーテンがピンク色だったところに、かろうじて女の子っぽさがみられた。

 ・・・・とか冷静に観察していたわけじゃない。緊張感を紛らわそうと努力していただけだ。


 床の上に体育座りで待っていると、やがて涼葉が入ってきた。Tシャツに短パンで。

「バスタオルとか巻いてくるのかと思った」
 冗談っぽく笑って言ってみるが、ちょっと声がうわずっている。そりゃそうだろ、俺も初めてなんだから。
涼葉はシャワーのせいかどうかわからないが、頬を赤くしていた。

「高さん、そういうのがよかったのか」
「いや、そんなつもりは・・・」
「あまりセクシー過ぎて飛びつかれても困るからな」「そんなにガッツかねぇよ」
 お互い笑ってみせるが、俺も涼葉も強ばった表情。

「ベッド、入ってくれるか?」「ああ、じゃぁ先に」
 涼葉に従って涼葉のベッドに。女の子のベッドに入ることもまたいちいち新鮮で、俺の気分を盛り上げる。それを堪能する
余裕なんかないけどな。

 涼葉はカーテンを閉めた。夕方近く、雨の天気で暗いことは確かだが、6月のこの時間なら薄暗いっていう程度で顔の表情もちゃんとわかる。


 俺の横に涼葉が入ってきて仰向けになる。ふーっと小さく溜息が聞こえた。そのくらい近い。
 俺は半身起こして涼葉の方へ向く。

「緊張してるか?」「高さんもだろ?」
「わかるか」「初めてだから仕方あるまい」
「そうだよな」
 だからって『止めるか?』とは言わない。俺だって緊張と好奇心と不安でいっぱいで、きっと止めた方が楽な気がする。
でも、先に進めるのなら、お互いの気持ちがそれを望んでいるのがわかるから、俺は止めない。

 俺は涼葉の上に被さるようにしてキス。涼葉の胸の柔らかな胸を圧して、体を合わせゆっくりと長くキスを続ける。

「っ!」「どうした?」
「ファスナーの先が当たって痛い」
 ジャージのジッパーの金具が立って涼葉の胸を押していたみたいだ。
「ごめん、じゃあ脱ぐか、な」
「そうしてくれ・・・・」

 いいきっかけになったのか、とりあえず俺はジャージの上を脱いで素肌になった。そしてそのまま下も脱いでパンツ一枚になる。
 その間、ベッドの中では涼葉がモゾモゾと短パンを脱いで床に落とした。
 ついに始まるんだ、という期待感からか、俺の物は勝手に反応し始めた。恥ずかしいので俺はサッサとベッドに戻った。

「私も上脱ごうか?」
「いや、そのままでいい。いきなりだと刺激が強すぎる」
「意外にナイーブだな、高さんは」
「涼は落ち着いてるな」
「うん、そうでもないが。それともジタバタした方がいいか?」
 つい笑ってしまう。
「慌ててる涼は想像出来ないな〜それは見てみたい」
 涼葉は肩をすくめてみせた。俺はちょっとリラックスして、何度目かのキス。そして涼葉の胸に手を滑らせた。

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